言の葉大賞で育む教員の声

『言の葉大賞®』は、学校教育の現場でその教育的意義が理解され、授業や夏休みの課題として積極的に取り組んでいただいております。
小・中・高校・大学のご担当教諭からいただいたご意見をご紹介いたします。

小学校 教員の声

第10 回目にして初めての応募です。現在本校でも国語力が課題です。手始めに「言の葉大賞」に応募することに決めました。今年度は6学年が中心となりましたが、他学年や教職員にも広げようと思っています。「書く」ことも学力向上の重要な要素です。新しいことに挑戦することで人生を変えるくらいの気持ちで取り組めたらと思います。たとえ成果がでなくても得られることはあるはずです。テーマが毎年変わること、手書きであることに魅力を感じます。

(埼玉県)

大きな失敗に出会ったことが少ない子どもたちが多いようでしたが、自分の経験を振り返りつまずいたり困ったりして壁にぶちあたり悩んで乗り越えたからこそ、得たものを見つめ作文にしていました。枚数制限のある中で書きたいことを整理して書くよい学習になりました。

(静岡県)

毎年子どもたちの知らなかった姿が文章から見えるテーマが設定され、書いて仕上げた作品を見るのが楽しみなコンクールです。特に、今回のテーマは子どもそれぞれの失敗体験だけでなく失敗の捉え方、家庭での親との会話をはじめ、今の姿がその失敗をどう乗り越えてきた結果なのかがよくわかる作品を生み出すものでした。これからの学級運営に役立つ子どもたちの経験に触れることのできる機会をいただいたことに感謝いたします。

(大阪府)

今年度初めて応募させて頂きます。子どもが自分自身を見つめ直し自分の言葉で表現する力をつけさせたいと思って作文を書かせました。テーマについても子どもたちにとって身近で深いものだったのでとてもよかったと思います。よろしくお願いします。

(兵庫県)

近年、少子化になり核家族の家庭が増えています。また、インターネットが普及し、便利な反面、コミュニケーションが希薄化しているように思われます。子どもたちは、どのように友達と関わっていけばよいのか悩み、けんかになることもあります。コミュニケーションについての課題があるように思います。今回この「言の葉大賞」は子どもたちに自分たちの経験を振り返らせ、自分自身をしっかり見つめ直すことが出来ると思います。失敗したことを肯定的に捉えることができるので子どもたちは失敗からたくさん学ぶことができました。また言葉の大切さにも気づくことができました。ありがとうございました。

(広島県)

中学校 教員の声

過ぎゆく日常の中でふと立ち止まり、言葉の大切さや力について考えることができる素敵なテーマが多く共感しております。

(北海道)

“「失敗から」学んだこと”のテーマは生徒にとって取り組みやすい課題でした。改めて過去の体験を見つめることは当時の不備を俯瞰することで、これは現在、自分が成長しているからできることです。生徒は書くことを通して失敗の原因や今につながる克服の努力を客観的に書いていました。正に書きながら成長の足跡を実感しているようでした。毎年テーマの設定には工夫されていると思いますが、今回のテーマは生徒たちに表現することの意義を実感させる良いテーマだと感じています。

(宮城県)

今年初めて応募させて頂きました。きっかけは今年度の“「失敗から」学んだこと”というテーマが高校入試を数か月後に控えた目の前の生徒たちに自己の歩みを肯定的に振り返らせるのに最適であると考えたためです。もう一つは山形県からの応募が全くなかったという残念な事実を知ったからというのもあります。参加させていただき、生徒たちの様々な思いや背景を知ることができました。本当に感謝しています。

(山形県)

毎年参加させていただいています。書きやすい手頃な文章量で、夏休みの課題にしているのですが、選んで書く生徒が必ずいます。「心」にせまるテーマも毎年いいなと思っています。

(福島県)

生徒に文章を書く楽しさを味わわせたい。私が国語科の教員になった理由の一つです。それにうってつけのコンクール「言の葉大賞」をこれからも長く続けていってほしいと思います。

(静岡県)

経験を思い出し、書くことでより印象に強く残るものになったと思います。「考える」ということをする良いきっかけになりました。他の生徒にも積極的に勧めていきたいと思います。

(愛知県)

人間は一人では生きていけない。誰かと人生を共にする以上、コミュニケーションをとる力が必要となる。言葉はコミュニケーションにおける最上のツールである。ゆえに言葉の力を高めるためには豊かな人生を歩む必須条件である。以上のような熱い信念をもって平素の授業に向かい合っています。言の葉大賞は感動したり衝撃を受けたりした誰かの一言をもとに我が身を振り返り、また明日への活力を喚起するきっかけを生徒に与えてくれました。自分はすごい体験などしてないという生徒が多いですが、今この瞬間、この場所で生まれているということが既にものすごい体験であり、それを作文という言葉をもって理解する貴重な体験となりました。

(鳥取県)

昨年度、本校1年男子生徒の作品を入賞に選んでいただきました。校内では落ち着かない生活を送っているこの生徒が、自分の体験をつづった内容に学校中で驚き、生徒の持つ可能性を広げていただきました。指定枚数が少なく取り組みやすい点が生徒に好評です。

(広島県)

本校では新聞記事を読み、意見を述べるNIE活動を通して時事問題の内容理解や思考力を育むことを目的に取り組んでいます。その一方で、自らのことを「かえり」みる機会が乏しいのが現状です。そこで将来の「自分像」につながる一つの機会となることに期待し、出品にいたりました。生徒たちは自らの失敗談を言葉にして発することをあまり好んでいません。しかし、今回のように長い募集期間の中で、自らの体験を文字化するという点から、じっくりと「コトバ」を考えながら自らを「かえり」みることが出来たように思います。一つの作品を仕上げるというよりは、自己を「かえり」みる教材のように私は捉えましたが、テーマにより成長の糧となる時間につながるそのようなものだと考えます。今後もぜひ出品させていただきたい活動です。

(宮崎県)

毎年素敵なコンクールだと思いながらも挑戦できずにいましたが、今年は興味を持った生徒がおり、応募することが出来ました。テーマの“「失敗から」学んだこと”というものが、自分自身を振り返らせ、書き始めやすかったのだと思います。応募した二人にとっても自分の失敗を言葉にし、整理できたことが良かったようでした。いい機会をありがとうございます。

(沖縄県)

高校 教員の声

第2学年の「総合的な学習の時間」での研究をもとにして書いたものです。「語用論」について、共同研究したものなので方向性は似ていると思います。これまでの自分を振り返る良い機会となったようです。

(青森県)

今回初めて応募させていただきました。まとまった長めの文章を書く機会がなかなかないため、果たして書ききれるかどうか未知数でしたが、賞に応募するということで生徒のモチベーションが高まったためかそれなりに書きあげてきたようです。内容はともかく書き上げる、やり遂げる力は身についたものと思われます。また機会があれば挑戦させたいと思います。

(福島県)

昨年度から現代文の授業で作品を募集し応募させていただいています。現代文の授業では読むことだけでなく表現することに重点を置いています。「自分」とは語る言葉でできているということ、思いを言葉にすることで他者との関係が構築され、その結果世界は広がって創造の可能性が生まれることを話し、また表現することを恐れず、楽しんでほしいと伝えています。この大賞への応募は、その「自己表現」のひとつの見える形です。昨年は高校1年生だけでしたが今年は1,2年に促し、多くの作品が集まりました。

(千葉県)

毎年夏休みの課題として高校2年生選択講座(授業)で活用させていただいております。今回のテーマ“「失敗から」学んだこと”。いいですね。成功でなく失敗から何を学ぶかということの重要性は常日頃、感じております。

(東京都)

今回の募集テーマ“「失敗から」学んだこと”という設定で書くとなった時、生徒たちにとっては難しいかなとも思ったのですが、文章を書く良い経験になると思い、書いてもらいました。作成途中には苦労する生徒もいましたが失敗してしまったことを思い出して考える「思考力」、相手に伝わるように意識して文章にする「創造力」、文章に書く「表現力」と、まさに言の葉協会様がねらいとする力が育ったのではないかと思います。実際書いたものが出来上がってみると、それぞれの経験がしっかりと入った良い作品が出来ていました。これからもまた機会がありましたらお願いしたいと思っております。

(静岡県)

今回は2年生の夏休みの英語の宿題として生徒に提示し800字で原稿用紙に書き終えた後、80~100語でその内容を英語に要約し、ALT(外国語指導助手)に点検してもらうという流れを固めました。生徒たちは過去を振り返り身近なニュースや自らの経験を再考しつつ頑張って書いておりました。大変すばらしい企画で読書離れを止める一助にもなるのではないかと期待しています。

(滋賀県)

2年前、担任として受け持った生徒の一人がこの作文を書きました。当時1年生の彼は記憶することが苦手で、様々なことを忘れがちです。そのことから勉強に対する苦手意識があり、自信をなくしてずっと苦しんできました。そんな彼に、私は書くことを勧めてみました。交換ノートという形で。何回もやり取りを重ね、書きながら、そして書くことで自分を取り戻していく彼を見ていて、書くことによってその人がよりその人らしくなっていくことを実感しました。作文が完成した今、書くことを通して彼が、そして私が、発見できたたくさんの喜びと可能性に心から感謝しています。

(兵庫県)

授業の課題として取り組みました。3年生になって初めて担当したある生徒が(授業において)1,2年生の間にこんな思いを抱えていたのかと思うと胸が熱くなりました。部活動の担当者も、彼の素直な言葉を受け止め、指導者として考えさせられると話してもいました。部活動を引退し、就職も決まり次のステップの為にも良い振り返りができたと話していました。この機会を得られたことに感謝いたします。

(福岡県)

毎年この季節になると「言の葉大賞」応募のためだけではないですが、作文指導を強化しています。800字という字数は入試、小論文に多用されており、まずは構成力習得に役立っています。次にテーマですが経験を基にしたものであり、夏季休暇中の課題に、また補習時の授業内容にと、取り組み易さを感じます。中でも入賞し、表彰式に参加した卒業生、並びに保護者からは感謝されています。皆様の益々のご発展とご健勝をお祈り申し上げます。来年度定年を迎えます。指導後継者、請負人を探しています。

(大分県)

ちょうど授業で「失敗談」という教材を学習していたところだったので、それにつながる活動をしてみようと思いました。外部に向けて文章を書く機会があまりないので生徒もよい経験が出来たと思います。テーマも自分の経験にもとづいて書けるもので字数もちょうどよく、取り組みやすいと思いました。

(熊本県)

大学/専門学校 教員の声

人差し指で情報を得たり、ラインを送信したりする現代社会において、大学生に手書きさせること自体が難しくなってきています。その中で教員として自分の思いを他者に手書きを通して伝えることの大切さを学生たちに身につけてほしくて1年次の学生に課題として取り組んでもらいました。将来ビジネスの世界で活躍したい学生たちに手書きの丁寧さと思いやりの心を少しでも分かってもらえばと期待しています。

(埼玉県)

多感な時期、将来の方向性を考えて決定する時期に自分自身と向き合わせたくて、言の葉大賞の作文に挑戦しました。20歳の学生が今までの人生で、すでに大きな壁にぶつかっていることに私自身驚かされています。ぜひご一読いただければ幸いです。

(静岡県)

昨年に引き続き応募させていただきます。今年は1年生だけでなく、2年生にも夏休みの課題として取り組んでもらいました。「失敗」に向き合うことは誰しも楽しい事ではありませんが、そもそも「失敗」ととらえなければよいのではないか、それを温かく見守る、笑い飛ばす大人や社会であってほしいと、学生の作品を読み、自分も文章を書きながら思いました。書くことは思考し、世の中を変える力につながっているので、この言の葉大賞を学生も自分も「自分自身を見つけ直し、変わる」良い機会にできたと思います。このような参加の機会をいただき感謝しています。ありがとうございました。

(愛知県)

小学校教員をめざす学生が自分としっかり向き合い、その時の気持ちを言葉にして自分について考えることはとても重要なことであると考えています。将来子どもたちにも「言葉を大切につむいでいく人になってほしい」という思いを伝えてほしいと願っています。今回のテーマは“「失敗から」学んだこと”。学生の豊かな経験を知るきっかけになりました。ありがとうございました。

(奈良県)

1年次の授業「保育者論」の課題として学生たちに取り組んでもらいました。大学での実習や保育現場では日々失敗から学ぶことの連続だと思います。また学生たちは実習において日誌や指導案などを手書きすることが求められます。そうした意味からこのテーマに取り組むことは意義があると考え応募させていただきました。

(岡山県)